学術集会

HOME

学術集会

大会長あいさつ・開催概要

大会長あいさつ

戸田 宏一
大会長 市場 晋吾

第35回日本心肺補助学会学術集会の大会長を務めさせて頂きます日本大学医学部附属板橋病院麻酔科の市場晋吾と申します。東京都文京区のフクダ電子会議室にて、2025年1月25日(土)午前9:00から午後5:30までの開催となります。
さて、今回の学術集会のテーマを「経皮的心肺補助のベストプラクティスとは?」とさせて頂きました。重症患者の診療における経皮的心肺補助法の進歩と臨床現場への普及は著しく、重症心不全および重症呼吸不全治療の様々な分野で成果をあげながら、さらに急速に進化を続けています。

成人呼吸ECMOの分野では、COVID-19関連ARDSに対するECMOの必要性が急増し、それに対して各医療施設へのECMO装置の供給と、日本ECMOnetを中心に、ECMOコースによる医療技術者養成を行った結果、世界的にも優れた成果を挙げ、また社会的にも「ECMO」というワードが認知されるようになりました。より優れたデバイスも開発されており、標準的治療としての位置付けが確立されたと言えるでしょう。

成人循環補助につきましては、Impella®︎の登場により、ECPELLAというV-Aとのハイブリッドのオプションが生まれ、SCAI Shock分類に基づいた補助循環のプロトコールがガイドラインにも掲載され、ACS、心筋炎、心筋症など様々な原因による重症心不全の治療に対するゲームチェンジャーとなる可能性が生まれました。また、心肺停止に対するECPRも救命救急医や循環器内科外科、集中治療医から構成されるハートチームにより、プレホスピタルからの導入の評価と医学的対応によって、より大きな成果が期待されています。また、蘇生後のpost resuscitation careの重要性も認識され標準化が求められています。

新生児・小児ECMOについては、主に循環補助が必要とされて導入されているのが現状ですが、呼吸不全に対するECMOを含めて、また、スタッフの教育も含めて今後の発展が期待されます。

このように、日本における経皮的心肺補助法は大きく進歩していますが、管理、デバイスラグ、教育、集約化、経済などの様々な課題も浮き彫りになっているのが現状です。本学術集会は、様々な臨床の現場において経皮的心肺補助法により重症呼吸循環不全の治療に日々取り組んでいる多くの先生やメディカルスタッフの方々、また医療関連業界の方々が、ベストプラクティスを学び、明日の日常診療に繋がるような有意義な学術集会になるよう取り組んでまいります。皆さまのご参加を心よりお待ちしています。

開催概要

名称
第35回日本心肺補助学会学術集会
大会長
市場 晋吾(日本大学医学部附属板橋病院 麻酔科・集中治療室 教授)
会期
2025年1月25日(土)
会場
フクダ電子本郷事業所会議室(現地+オンライン開催)
〒113-8420 東京都文京区本郷2-35-8
テーマ
経皮的心肺補助のベストプラクティスとは?